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【事故3日前の検査で携帯電話を通信手段として申請 検査通過  浮き彫りになる杜撰な一面など】


北海道の知床沖で観光船が沈没した事故で、運航会社が事故の3日前に通信状況の悪い携帯電話を通信手段として申請し、国土交通省の検査を通過していたことがわかりました。中継です。

北海道斜里町のウトロ漁港です。現場海域では29日、観光船「KAZU I」の船体が見つかった場所で、海上保安庁などが水中カメラで船内に人がいないか確認を進めています。一方で、国の検査のあり方が問われる事態も発覚しています。

国土交通省によりますと、「KAZU I」が事故の数日前に受けた日本小型船舶機構による検査で、衛星電話から携帯電話に通信手段を変更して申請し、検査を通過していました。

この際、豊田徳幸船長に陸上との通信が可能か尋ねたところ、つながると答えたため検査を通したということです。

また、JNNの取材でも豊田船長がこうしたいきさつを元従業員に明かしていたことが分かりました。

KAZU Iの運航会社 元従業員
「『無線はつながらないからな』と豊田船長に2~3日前に言ったとき、(豊田船長が)『携帯でもいいと(当局から)言われたんだよな』と言っていた。検査は入っているからと」

豊田船長はその上で「自分の携帯電話会社ではつながらない」と元従業員に話していたということです。

また、運航会社の別の関係者は通報の際、豊田船長の携帯電話がつながらず、乗客の電話を借りていたと証言しています。

事故をめぐって国の安全確認のあり方も問われています。


事故3日前の検査で携帯電話を通信設備として申請 検査通過
知床半島沖で観光船が沈没した事故で、事故の3日前に行われた国の船舶検査の際、運航会社の「知床遊覧船」が携帯電話を通信設備として申請し、検査を通過していたことがわかりました。

29日、海底に沈んでいるのが見つかった観光船「KAZU I」は、事故の直前の今月20日に国土交通省が認可している「日本小型船舶検査機構」による法律に定められた検査を受けていました。

この際、運行会社側が船への搭載が必要とされる陸上との通信設備として、それまでの衛星電話から携帯電話への変更を申請していたことがわかりました。

国土交通省によりますと、検査機構の担当者は、周辺の漁業関係者から知床遊覧船の航路の周辺海域では「携帯電話が通信可能」と聞き取っていたほか、船を検査した際に「KAZU I」の豊田徳幸船長に陸上との通信が確実に可能かどうか尋ねたところ、つながると答えたことから変更を認めたということです。

しかし、申請があった携帯電話会社の電波は現場海域で届かないところがあるとされていて、検査機構の担当者も船に乗って航路上で携帯電話の電波を確認することはしていなかったということです。